看護師1年目でも転職できる?第二新卒の転職について

看護師の転職活動

新卒で看護師として就職したはいいものの、残業や夜勤続きで毎日忙しい。仕事もなかなか覚えられず、先輩にも怒られてばかり。正直辞めてしまいたい…。看護師1年目で同じような悩みを抱えている看護師は多くいます。この記事では、看護師1年目で職場を辞めたくなったときにお役に立てるような情報を記載します。

1年目の新人看護師が辞めたい理由

公益社団法人日本看護協会の「2022年病院看護・助産実態調査」によると、2021年の新卒看護師の離職率は10.3%です。全体の1割は1年目で離職しています。1年目の新人看護師は、次のような悩みを抱えることが多いです。

人間関係

看護師は女性が中心の社会になっていることが多いので、先輩看護師との人間関係に悩むことも少なくありません。親切で優しい先輩ももちろんいますが、忙しさからつい後輩に対して丁寧さを欠いてしまう先輩看護師もいます。

研修が多い

看護師の仕事は患者さんの命に直接関わっているので、適切な知識やスキルを身に付けるための研修や勉強会が多く行われています。仕事をする上で欠かせないこととはいえ、勉強する量が多いとストレスが溜まってしまいます。また、大体の研修が半強制的で、プライベートの時間が減ってしまうことに大きな不満を抱えている1年目の看護師は多くいます。

責任の重さに耐えられない

看護師の仕事は、患者さんの命に直接的に関わります。この責任の重さにより、多くの看護師が大きなプレッシャーを感じ、辞めたいと思うことがあります。

【参考記事】看護師資格を活かせる!病院以外で働く方法

看護師1年目で転職するメリット・デメリット

看護師1年目で転職するメリット

  1. 経験の幅を広げられる:異なる医療機関での勤務経験が、スキルや知識を向上させます。
  2. 新たなチャレンジの機会:転職を機に、専門分野への挑戦や研修を受けることができます。
  3. 職場環境の改善:不満を抱えていた職場から離れ、より良い環境で働くことができます。

看護師1年目で転職するデメリット

  1. 信頼を下げる可能性:転職が早すぎる場合、今後、雇用者側からの信頼が低くなる可能性があります。
  2. スキルの未熟さ:1年目ではまだ経験が浅いため、次の職場でも、スキルの未熟さが課題となることも考えられます。

看護師1年目での転職に向いていない人の特徴

看護師1年目での転職は慎重に行うべきです。実際に早期転職をしたものの「もっと考えておけばよかった」と後悔する看護師も少なくありません。以下のような特徴に当てはまる人は、転職によって再び同じ失敗を繰り返すリスクが高いといえるでしょう。

忍耐力が不足している

看護師1年目は、覚えることが多く、業務に慣れるまでに時間がかかります。そのため、一時的なストレスやつらさから「今の職場は合わない」と早まって転職を考えてしまうケースがよく見られます。しかし、どの職場に行っても最初は大変なものです。忍耐力が不足していると、転職先でも同じような悩みにぶつかり、「また辞めたい」と感じてしまう可能性が高まります。

人間関係が原因で繰り返し辞めたいと感じる

人間関係のトラブルはどの職場にもある可能性があります。確かに人間関係が非常に悪い職場も存在しますが、1年目での転職理由として「先輩が怖い」「話しかけにくい」といった理由が目立つ場合、それはまだ関係構築ができていないだけかもしれません。同様の理由で何度も転職を繰り返すと、履歴書の印象も悪くなり、将来的に希望の職場に就くことが難しくなることもあります。

将来的に専門的なスキルを学びたいと思っている

もし将来的に認定看護師や専門看護師を目指しているなら、1年目の転職は慎重に検討する必要があります。転職先によっては、キャリアアップのサポートが不十分であったり、希望する分野の経験が積めなかったりすることもあります。焦って転職してしまうと、かえって目標から遠ざかってしまう失敗例も見られます。まずは今の職場で学べることを最大限に吸収する姿勢も大切です。

看護師1年目の転職先の選び方

転職に失敗しないためには、転職先の選び方が非常に重要です。1年目の看護師が転職する際には、以下のポイントを意識して職場を選ぶようにしましょう。

教育体制が整っているかどうか

1年目での転職は、まだ基礎的なスキルや知識が十分でない状態です。そのため、新人教育や中途入職者へのサポートが手厚い病院や施設を選ぶことが大切です。プリセプター制度や研修プログラムの内容を事前に確認し、自分がスムーズに現場に馴染める体制があるかをチェックしましょう。教育体制が整っていない職場に転職してしまうと、不安や孤独感から「失敗だった」と感じる原因になりかねません。

自分に合った働き方ができるか

夜勤の有無や勤務形態、残業時間など、自分のライフスタイルや希望に合った働き方ができるかどうかも重要なポイントです。たとえば、体調面に不安がある場合は日勤のみのクリニックや訪問看護を検討するなど、無理のない勤務スタイルを選ぶことで長く働き続けることができます。自分に合わない働き方を選ぶと、体力的・精神的な負担が大きくなり、再び転職を考える原因になります。

見学や情報収集をしっかり行う

転職を成功させるためには、職場見学や口コミのチェックなどの情報収集が欠かせません。見学を通じてスタッフの雰囲気や患者さんとの関わり方、実際の業務内容などを確認することで、自分に合っているかどうかを判断しやすくなります。また、看護師専門の転職サイトやエージェントを活用するのも有効です。十分な下調べをせずに転職してしまうと、「こんなはずじゃなかった」と後悔する原因になり得ます。

看護師1年目が転職する際におすすめの職場

療養・リハビリ型の病院

現場で目まぐるしく走り回る機会の少ない職場がおすすめです。看護の基本からじっくりと学べるので、専門分野を勉強しながら看護に携わりたいなど、スローな雰囲気の職場を希望する看護師には最適でしょう。また、この種類の病院は新卒採用の看護師も少ない傾向があり、職場の若返りを図りたい場合もあります。そのような理由で、第二新卒が歓迎されやすい現場といえるでしょう。

美容クリニック

若く見映えのする看護師さんを求めているので、美容クリニックも第二新卒看護師の転職先としておすすめです。夜勤・残業がなく、給料が良いなどのメリットもあるので、若い看護師の転職先として人気の職場です。求人数は決して多くないので、転職エージェントに登録して、非公開の情報も含めて情報収集しましょう。

【参考記事】看護師の転職サイト活用方法 | 転職を考え始めたらまずやるべきこと、おすすめサイト

看護師1年目で転職する際のベストタイミングとは?

看護師1年目での転職を成功させるには、タイミングも非常に重要です。焦って退職してしまうと、転職活動が思うように進まず、「こんなはずじゃなかった」と後悔することにもなりかねません。適切なタイミングを見極めて行動することが、転職成功への鍵となります。

半年は続けてみてから判断

1年目の前半は誰でも辛いものです。新しい環境に適応するまでにはある程度の時間がかかるため、最低でも半年は今の職場で続けてみることをおすすめします。実際、半年を過ぎた頃から業務に慣れてきて、「転職しなくてよかった」と感じる人も多いです。早期退職は職歴としても不利になりやすいため、感情に流されず冷静に判断することが大切です。

異動希望より前に動く

大規模な病院では異動制度を導入しているところも多く、「配属先が合わないから異動を希望したい」という看護師も少なくありません。しかし、異動が叶うまでには時間がかかる場合もあり、待つことでストレスが溜まり続けるリスクもあります。その場合は、異動を待つよりも早めに転職活動を始めて、自分に合った職場を見つける方が前向きな選択になることもあります。

春・秋の募集タイミングを狙う

看護師の求人は年間を通じてありますが、特に春(4月入職)と秋(10月入職)は求人が増える傾向にあります。これは、年度の切り替えや人事異動の時期に合わせた募集が多くなるためです。教育体制が整った求人が出やすいのもこの時期で、1年目の看護師にとっては非常に狙い目といえます。転職を決めたら、これらのタイミングを逃さずに動くことが、転職失敗を避けるポイントになります。

看護師1年目での転職のポイント

  1. 自己分析とキャリアプランの策定:なぜ転職を考えるのかを明確にし、今後のキャリアプランを考えましょう。
  2. 職場のリサーチ:転職先の職場や環境を詳しくリサーチし、自分に合った場所を見つけることが重要です。
  3. 履歴書や職務経歴書の充実:1年目での経験を具体的に示し、自分の強みをアピールできるように心掛けましょう。

まとめ

看護師1年目でも転職は十分に可能です。しかし、慎重な準備と計画が必要です。転職を検討する際は、キャリアの目標を改めて考え、将来に向けてステップアップするための大切な一歩と捉えましょう。転職活動を成功に導くために、じっくりと情報収集し、自分に合った職場を見つけることが重要です。看護師としてのスキルを磨きながら、より良い環境で働くための道を進んでいきましょう。

コメント