看護師になるための学費はいくら? | なるためのルートと学費の概算・内訳

看護師のなりかた

看護師は、充実感ややりがいのある職業の一つです。しかし、その夢を追う学生と親御さんたちにとって、学費の問題は大きいです。この記事では、看護師になるための学費に関する情報を提供し、異なるルートや支援制度についてご説明します。

看護師になるためのルート

高校を卒業している人の場合

看護学校に入学 or 准看護師養成所に入る 選択肢があります。高校に通っていなくても、高卒認定に合格した人も受験可能です。

看護専門学校(看護師養成所)

高校を卒業して最短で看護師になれる方法です。看護専門学校か看護短大の3年課程に行き、看護師の国家試験に合格すれば看護師になれます。高校を卒業あるいは高卒認定がある人なら誰でも受験することができます。

看護大学・大学の看護学科

看護師の単位と同時に選択科目があり、卒業と同時に保健師あるいは助産師の資格、養護教諭など、いずれかの資格を取ることもできます。その分4年間通う必要があります。一般職からの転身で大学入学を活用されるケースも増えています。

中学校を卒業している人の場合

高校一貫校から看護師を目指す or 先ずは高校に進学してから看護学校に入学 or 准看護師養成所に入る 選択肢があります。

高校一貫校

これが最短で看護師になれる方法です。一貫校になっていますので、中学卒業後、一貫校を順調に卒業し、国家試験に合格すれば5年で看護師になれます。高校の看護科は、公立でも私立でもあります。高校の看護科は、通常の高校で学ぶような勉強も行いますし、専門分野の勉強もします。実習もあります。

高卒/中卒/社会人 いずれも選べる、准看護師から看護師になる人の場合

これまでの経験や学歴に関係なく、准看護師学校(准看護師養成所)に行き、准看護師免許(都道府県知事免許)を取得してから専門課程の看護学校(看護師養成所)で学んで、国家試験に合格すれば看護師になれます。准看護師学校2年と看護専門学校2年の合計4年、昼間定時制を活用しても5年で看護師になれます。

中学卒業後に准看護師学校に入ることも可能です。まず准看護師免許を取得し、それから准看護師として働き、3年の実務経験をした上で看護師学校(2年課程)に進学します。もうひとつの方法として、准看護師学校を卒業して、准看護師として10年の実務経験をしたのちに厚生労働省の指定する通信制の看護学校に入ることができます。いずれも国家試験に合格すると看護師になれます。

学費の概算と内訳

看護学校や大学の学費は、施設やプログラムによって異なります。あくまで概算ですが、参考程度に記載します。

  • 看護専門学校(看護師養成所):3年課程/150〜300万円
  • 看護専門学校(看護師養成所):2年課程/80〜180万円
  • 看護大学:4年課程/250〜660万円
  • 準看護学校:70〜160万円

上記に、入学金・授業料・実習費用・教材費・制服代・通学費なども必要となります。

准看護学校(養成所)は、昼間定時か夜間がある場合もあります。昼間定時とは、午前のみか、午後のみが学校なので、それ以外の時間を使って、働くことができます。夜間の場合も、夕方から学校なので、昼間の時間に働くことができます。

また、修学支援をしてくれる病院にまず看護補助者として勤務してから看護学校入学を目指すことも考えられます。修学支援を行なってくれる病院だと、3年間の授業料を出してもらうことができます。卒業後はその病院に就職することが前提となりますが、費用を大幅に抑えることができます。

奨学金について

看護師になる夢を実現させるには、奨学金を賢く活用することも大切です。奨学金には「給付型」「貸与型」の2タイプあります。

給付型奨学金

一般的には返済不要です。対象者は成績優秀者、世帯収入が設定額より低い者などがあり、対象人数が少ない場合が多いです。

貸与型奨学金

基本的には借金と同様で卒業後毎月一定額を返済していきます。利子ありと利子なしのものがあります。指定の施設や特定の病院に一定期鬼間勤務すれば返済が免除になるものもあります。

代表的な奨学金

大学や専門学校独自の奨学金や特待生制度

各大学や専門学校には、独自の奨学金制度があります。対象者の成績や給付人数、返済免除の有無を各大学学生課奨学金窓口や看護学校事務室に確認してみるとよいでしょう。

卒業後指定の就職先で一定期間勤務することを条件にした奨学金

各学校や病院独自の窓口やホームページで確認し、応募方法・条件を問い合わせてみましょう。給付型・貸与型があります。成績や受給人数に制限がある場合、審査があり、希望者全員が受けられるとは限りません。一定期間就業する必要があるので、何かの理由で中途退職の場合も返済の必要がでます。

日本学生支援機構の奨学金

〈貸与型の場合〉卒業後に長期間(12年から20年)をかけて返還が必要となります。第一種奨学金2万円〜6.4万円(利子なし)と第二種奨学金2万円〜6万円(利子あり)があります。第一種は、高校評定3.5以上、前年度の収入が家計として合計747万円以下の学生が対象となります。

〈給付型の場合〉2020年に新設された奨学金です。住民税非課税世帯およびそれに準ずる世帯を対象とした、原則返還しなくていい奨学金です。自分が対象になるかは高校に確認が必要です。

都道府県・市町村などの奨学金

一定条件を満たすと受けられます。各自治体に確認が必要で、給付型と貸与型があります。給付型の場合は、卒業後の勤務地が限定される場合がありますので、確認が必要です。

社会人が看護学校費用を抑えて看護師を目指す方法

教育訓練給付金

平成26年10月1日から、「教育訓練給付金」の給付内容が拡充され、専門実践教育訓練給付ができました。雇用保険に加入している人がこの給付を受けることができます。助産師、看護師、准看護師も専門実践教育訓練給付の対象になっているので、社会人から看護師を目指すなら、ぜひ活用しましょう。

おわりに

未来の看護師として、地道に努力を重ね、学費や資格取得に関する情報を上手に活用して、素晴らしいキャリアを築いていってください。応援しています!

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