救急救命士になるには？ | 仕事内容、なり方、向いている人を解説

救急救命士として働くために、「どうすれば良いんだろう」と気になられる人向けの記事です。救急救命士になるためには、救命救急士国家試験に合格しなければなりません。また、資格試験に合格するだけではなく、資格を活かして働く職場を見つけることも重要となります。この記事では、救急救命士になるための具体的な情報を記載し、スムーズな就職・転職活動をサポートします。

【参考記事】看護師資格を活かせる！病院以外で働く方法

救急救命士とは？仕事内容について

救急救命士の役割は非常に重要であり、迅速で正確な判断が求められます。以下に、救急救命士の仕事について詳しく見ていきましょう。

主な役割

救急救命士は、重度の傷病患者が病院や診療所に搬送されるまでの間に救急救命措置を行う専門職です。普段は医師にしかできない医療行為を、ある条件下では救急救命士が行うことが可能です。具体的には、事故や病気による緊急の患者に対し、迅速な応急処置や医療サポートを行います。また、患者さんの状態を適切に評価し、病院への搬送を行うことも重要な任務の一つです。

業務内容の詳細

具体的な業務内容としては、救急現場や病院搬送中の救急車内などにおいて、医師の指示に基づき、血管確保・気道確保・心拍の回復・薬剤の投与などの救急救命処置を行います。また、救急現場での患者さんやその家族とのコミュニケーションも大切な役割です。常に状況に応じた適切な対応が求められ、高い専門性が必要です。

やりがい

一方で、救急救命士の仕事は非常にやりがいのあるものでもあります。緊急の状況で迅速な判断が求められ、その結果として人の命を救うことができる充実感は、他の仕事では味わえないものです。

救急救命士になるには2つのルートがある！

転職を考えている看護師の方が救急救命士になるためには、いくつかのステップを踏む必要があります。

救急救命士になるために必要な資格

救急救命士になるためには、特定の資格が必要です。日本では「救急救命士国家試験」に合格することが必須となります。

救急救命士国家試験の合格率は高い

厚生労働省の令和5年発表の資料によると、救急救命士国家試験の合格率は93.8%と発表されています。一方で、試験の受験資格を得ることは大変と言われています。

救急救命士になるための2つのルート

救急救命士になるには、以下の2つ方法があります。

• 救急救命士の資格試験を受験して合格する
• 消防士になってから救急救命士資格を取得する

救急救命士の資格試験を受験して合格する

救急救命士を目指すためには、大学や専門学校で定められた課程を修了し、受験資格を得る必要があります。ただし、救急救命士の資格取得だけでなく、就職を見据えた勉強も必要です。例えば、大学や専門学校で資格を取得し、その後に消防官採用試験に合格する方法があります。

消防士になってから資格取得する

消防士として採用された後、救急救命士になる方法があります。高校等を卒業した後、消防士の公務員採用試験に合格します。公務員試験に合格後、消防士として採用された後に必要な経験を積み受験資格を得ることができるのです。

受験資格を得るための条件は以下です。

• 救急隊員として5年以上、または2,000時間以上の実務経験を積む
• 養成所で6ヶ月以上の講習を受ける

実は1991年時点で看護師免許を取得していた人も救急救命士の国家試験受験資格があります！

救急救命士の国家資格が誕生したのは1991年です。その関係で、1991年8月15日時点で「看護師免許」を取得していた人。もしくは「看護師養成所に在籍し、その後看護師となった人」は、手続きを行うことで救急救命士の国家試験受験資格を得ることが可能です。

主な就職先

看護師で、救急救命士の資格を取得した人が消防署に勤めている例もありますが、医療機関の救急救命センターや救急外来などに勤務している看護師が多いです。就職先を選ぶ際には、自身のスキルや興味に合った場所を選ぶことが重要です。また、職場の雰囲気や勤務形態も検討材料として挙げましょう。

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看護師から救急救命士へのキャリアチェンジの魅力とは？

看護師として患者さんを支えながら、救急救命士へのキャリアチェンジを考える方も増えています。救急救命士は命の危機に直面する現場での活躍が求められるため、看護師としての経験を活かせる点が多くの魅力を持っています。ここでは、救急救命士になることで得られるやりがいや、看護師としての経験をどう活かせるのかについて解説します。

救急救命士になることで得られるやりがい

救急救命士は、命を救う最前線で働く職業です。災害現場や交通事故現場など、緊迫した状況下で迅速かつ正確な判断が求められるため、大きな責任を伴います。その分、患者さんの命を救うやりがいと達成感を感じられる仕事です。また、社会的意義の高い職業であり、緊急医療の重要な役割を担うことができます。

看護師としての経験をどう活かせるのか

看護師として培ったスキルや知識は、救急救命士としても非常に役立ちます。特に患者さんの状態を迅速に判断するアセスメント能力や、緊急時の初期対応に関する経験は大きな強みです。また、患者さんやその家族とのコミュニケーション能力も、救急救命士としての活躍に不可欠です。

看護師が救急救命士になるためのルートと必要な条件

看護師から救急救命士を目指す場合には、資格取得のためのルートや必要な条件を事前に把握しておくことが大切です。ここでは、看護師免許を活かして救急救命士になる方法や、消防士経由で資格を取得する方法などについて詳しく説明します。

看護師免許を活かした救急救命士国家試験の受験資格

看護師は医療資格を持つ専門職であるため、救急救命士国家試験の受験資格を得ることができます。特に看護師免許を持っていることで、試験に必要な知識を既に学んでいる部分も多く、試験対策が比較的スムーズに進むことが特徴です。

消防士経由で救急救命士を目指す方法

消防士として現場で経験を積みながら、救急救命士の資格を取得する方法もあります。このルートでは、実務経験を積む中で試験勉強ができるため、実践的な知識とスキルを磨くことができます。ただし、消防士としての採用試験をクリアする必要がある点には注意が必要です。

他の医療資格からのキャリアチェンジとの違い

看護師から救急救命士になる場合、他の医療資格と比べてアドバンテージがあります。看護師は医療現場での直接的な患者さん対応経験が豊富であり、これが試験勉強や現場対応で大きな強みとなります。他の医療資格者と比較しても、救急救命士としてのキャリアチェンジがスムーズに行えるケースが多いです。

救急救命士と看護師の違いを徹底比較

看護師と救急救命士は、どちらも医療現場で重要な役割を担いますが、求められるスキルや仕事内容には明確な違いがあります。ここでは、資格要件や業務内容、就職先などを比較し、それぞれの特徴を解説します。

資格要件の違い

救急救命士は国家試験に合格する必要があり、専門の養成施設を卒業することが条件です。一方、看護師も国家試験が必要ですが、大学や専門学校でのカリキュラムが看護業務に特化しています。

業務内容の違い

救急救命士は主に緊急搬送時の医療措置を行います。一方、看護師は病院や診療所で患者さんの日常的なケアを提供する役割を担っています。救急救命士は現場対応が主であり、看護師は継続的なケアが求められる点で大きな違いがあります。

就職先とキャリアの幅

救急救命士は消防署や救急医療センターで働くことが一般的です。一方、看護師は病院やクリニック、訪問看護ステーションなど、多岐にわたる就職先があります。看護師の方がキャリアの幅が広い傾向にあります。

救急救命士と救急隊員の違いとは？

救急救命士と救急隊員は、どちらも救急現場で活躍する職種ですが、その役割や資格には明確な違いがあります。救急隊員は消防署などに所属し、救急車で現場に駆けつける隊員全般を指し、救急救命士はその中でも特別な医療行為を行える資格を持つ人を指します。

救急救命士の役割と資格

救急救命士は、救急隊員の中でも特に高度な医療行為を行うことができる国家資格を持つ専門職です。救急救命士の資格を取得することで、心肺蘇生や薬剤投与、気道確保などの医療行為を行うことが可能になります。資格を取得するためには、専門学校や大学で所定のカリキュラムを修了し、国家試験に合格する必要があります。

救急隊員の役割と求められるスキル

救急隊員は、救急車に乗務し、患者さんを迅速に病院へ搬送することが主な役割です。必ずしも救急救命士の資格を持っている必要はありませんが、応急処置や救急現場での対応力が求められます。また、チームワークや冷静な判断力、体力も重要なスキルとなります。

両者の違いとキャリアの選択肢

救急救命士と救急隊員の違いは、行える医療行為の範囲にあります。救急救命士はより高度な医療処置が可能なため、キャリアの幅も広がります。例えば、救急車だけでなく、病院の救急部門や教育機関での指導者として活躍することもできます。一方、救急隊員は消防士としての業務も兼ねることが多く、災害対応や救助活動にも関わることが特徴です。

看護師と救急救命士、どちらが難しい？比較してみた

看護師と救急救命士、どちらの資格取得が難しいのかは、目指す人にとって大きな関心事です。それぞれ異なる役割を担っているため、求められる知識・技術・現場環境も大きく異なります。ここでは、国家試験の難易度、必要なスキル、働き方などを徹底比較してみましょう。

国家試験の合格率・難易度を比較

看護師国家試験の合格率は例年90％前後で、比較的高めです。一方、救急救命士国家試験はおおむね70％前後とやや低めで、試験の難易度も高いとされています。救急救命士試験では、特に応急処置や生理学の深い知識が問われるため、医学知識だけでなく応用力が必要です。

求められる知識・スキルの違い

看護師は患者さんの全身状態を総合的に管理するスキルが求められ、救急救命士は心肺停止などの緊急事態に即応する高度な応急処置技術が必要です。特に救急救命士は、救急車内での迅速かつ正確な判断と処置が求められるため、プレッシャー耐性も重要になります。

働き方や現場環境の厳しさを比較

看護師は病院内でチーム医療に従事することが多く、比較的安定した環境で働くことが可能です。一方、救急救命士は屋外や移動中、過酷な環境での活動が求められることが多く、体力的・精神的な負担が大きい職種です。

どちらが自分に向いているか見極めるポイント

人と接することや長期的な患者さんケアに興味があるなら看護師、緊急対応や迅速な判断・行動が得意なら救急救命士がおすすめです。自分の性格や将来設計をしっかり見極めた上で進路を選びましょう。

看護師と救急救命士のダブルライセンスの可能性

看護師と救急救命士のダブルライセンスは、医療現場でのスキルを大幅に高める大きな武器となります。特に救急医療の分野では、両方の知識と技術を兼ね備えた人材が高く評価され、キャリアの幅も広がります。ここでは、ダブルライセンス取得のメリットや実際の事例、取得にかかる期間と費用、活かし方について詳しくご紹介します。

ダブルライセンス取得のメリットとは？

看護師と救急救命士、両方の資格を持つことで、現場対応力が飛躍的に向上します。看護師としての患者さんの全身管理能力に加え、救急救命士としての初期対応・応急処置スキルを持つことで、救急車内や災害現場などでも即戦力となる存在になれます。また、キャリアアップや収入アップにつながる可能性もあり、医療機関からの需要も高いです。

実際に活躍するダブルライセンス保有者の事例

例えば、大都市圏の救命救急センターでは、看護師・救急救命士の両資格を持つスタッフが、ドクターカーや救急搬送チームの一員として活躍しています。患者さんの搬送中のモニタリングや処置を自ら行い、到着後も円滑に引き継ぎができるため、医療チームの一体感が高まり、救命率向上にも貢献しています。

ダブルライセンス取得にかかる期間と費用

一般的に、看護師資格を持った上で救急救命士を目指す場合、専門学校や大学の救急救命士課程で1年半～2年程度の学習が必要です。費用は学校により異なりますが、学費だけでおおよそ100万円～200万円程度が目安です。さらに国家試験対策の講座や教材費がかかる場合もあるため、事前にしっかり調べて準備することが大切です。

ダブルライセンスの活かし方とキャリアアップの方法

ダブルライセンスを活かすには、救急医療に特化した職場に進むのが効果的です。救命救急センター、ドクターカー部隊、災害派遣チーム、または自治体の消防本部に採用されるケースもあります。さらに、将来的には教育・指導の立場（インストラクター、講師）への道も開け、医療業界全体の発展にも貢献できます。

救急救命士のキャリアパスと将来性

救急救命士は、現場経験を積むことでさまざまなキャリアパスを選択できます。近年では、病院での活躍や教育機関での指導者としての道も広がっています。

救急救命士としてのキャリアアップ方法

救急救命士としてキャリアアップするには、まず現場経験を積み、必要なスキルを磨くことが重要です。その後、病院勤務や高度救命救急センターでの勤務を経て、指導者としての道を目指すことも可能です。また、救急救命士の上級資格や専門的な研修を受けることで、より高度な医療行為を行えるようになります。

病院勤務や教育機関での活躍の可能性

近年、救急救命士が病院で勤務するケースが増えています。特に救急外来や集中治療室（ICU）などでの勤務が可能となり、病院の救急医療チームの一員として活躍できます。また、専門学校や大学で救急救命士を育成する教育機関での講師としての道もあり、後進の育成に携わることができます。

今後の需要と業界の動向

日本の高齢化が進む中で、救急医療の需要はますます高まっています。そのため、救急救命士の役割は今後さらに重要になると考えられます。また、救急医療の高度化に伴い、より専門的な知識や技術を持つ救急救命士の需要も増えていくでしょう。

現役の救急救命士に聞いた！仕事のリアルとやりがい

救急救命士の仕事は、常に命と向き合う緊張感のある職業です。しかし、その分やりがいも大きく、多くの救急救命士が誇りを持って働いています。

現場での緊張感とやりがい

救急現場では、一瞬の判断が患者さんの命を左右します。そのため、常に冷静さを保ち、的確な対応を行うことが求められます。しかし、患者さんの命を救えたときの達成感は計り知れないものがあり、多くの救急救命士がこの仕事に誇りを感じています。

患者さんの命を救う瞬間とは？

救急救命士が最もやりがいを感じる瞬間は、救急処置によって患者さんの命を救えたときです。心肺蘇生や気道確保などの処置が成功し、患者さんの意識が回復したときは、大きな喜びを感じるといいます。

仕事の厳しさと乗り越えるコツ

救急救命士の仕事は、体力的にも精神的にも厳しいものがあります。特に長時間労働や夜勤が続くことも多く、ストレス管理が重要になります。しかし、仲間との連携や適切な休息を取ることで、乗り越えていくことができます。

救急救命士になるための専門学校・大学の選び方

救急救命士を目指すためには、専門学校や大学で必要な知識と技術を学ぶ必要があります。

専門学校と大学の違い

専門学校は、短期間で集中して救急救命士の資格取得を目指すことができます。一方、大学ではより幅広い知識を学びながら、救急医療以外の分野にも対応できるスキルを身につけることができます。

学校選びで重視すべきポイント

学校選びでは、カリキュラムの充実度や卒業生の就職率を確認することが重要です。また、実習の充実度や講師陣の質も考慮するべきポイントとなります。

実習・研修の充実度が鍵

実習や研修の充実度は、実際の現場での対応力を養う上で非常に重要です。特に救急病院との提携がある学校では、より実践的な経験を積むことができます。

救急救命士になるために通うべき学校や養成施設

救急救命士になるためには、専門の養成施設で必要な知識と技術を学ぶ必要があります。ここでは、養成校の選び方や学費、学習内容について解説します。

養成校の選び方

養成校を選ぶ際は、カリキュラムの充実度や合格実績を確認しましょう。また、働きながら通える夜間コースがある学校もありますので、自分のライフスタイルに合った選択が重要です。

学費や学習内容の具体例

養成校の学費は学校によって異なりますが、年間50万～100万円程度が一般的です。学習内容は救命処置や医療機器の使用方法、緊急時の患者さん対応など、実践的なスキルを中心に学びます。

看護師におすすめの学校

看護師から救急救命士を目指す方には、夜間コースや短期集中プログラムがある学校がおすすめです。働きながら効率よく学べる環境を選ぶことで、スムーズに資格取得が目指せます。

救急救命士を目指せる専門学校の学費と入試情報

救急救命士になるための第一歩は、専門学校での学びです。専門学校は、医療の基礎から救急救命士として必要な専門知識まで、幅広い内容を学ぶことができます。しかし、学費や入試情報については不安を感じる方も多いでしょう。ここでは、救急救命士を目指す専門学校の学費や入試情報、学費を抑える方法についてご紹介します。

専門学校の学費相場と奨学金制度

救急救命士を目指す専門学校の学費は、年間でおおよそ70万円～120万円程度が相場となります。これは学校によって異なるため、入学前にしっかりと確認することが大切です。また、奨学金制度を活用することで、学費負担を軽減することも可能です。多くの専門学校では、成績優秀者への奨学金や、経済的支援を行っている場合もあります。日本学生支援機構（JASSO）などの奨学金制度を利用することも一つの方法です。

入試の種類と合格のコツ

専門学校の入試は、学校によって異なりますが、一般的には筆記試験、面接、実技試験が行われます。筆記試験では、基本的な知識や専門的な内容が問われるため、入学前に救急救命士に関連する基礎知識を予習しておくことが重要です。面接では、自己PRや志望動機が問われるため、将来の目標やなぜ救急救命士を目指すのかをしっかりと伝える準備をしましょう。実技試験では、応急手当や搬送技術の実演が求められることが多いため、実際のシミュレーションを通じて技術を磨いておくことが大切です。

学費を抑える方法

学費を抑えるためには、奨学金制度を活用することが最も効果的です。また、学校によっては、一定の成績を収めることで学費の一部が免除される場合もあります。その他にも、公共の福祉施設や自治体が提供する助成金を利用する方法もあります。また、アルバイトをしながら学費を支払う学生も多く、学費と生活費を自分で支えるための工夫が求められます。

救急救命士国家試験の詳細と合格のためのポイント

救急救命士になるためには国家試験の合格が必須です。この試験は専門知識や実践スキルを問われるため、事前準備が非常に重要です。ここでは試験内容や難易度、効率的な対策方法について解説します。

試験内容と難易度

救急救命士国家試験では、救命処置や医学的知識、法律関連の問題が出題されます。筆記試験だけでなく、実技試験も行われ、実際の現場対応能力が求められます。試験の難易度は高く、十分な準備が必要です。

合格率の現状と推移

救急救命士国家試験の合格率は例年60%～70%程度です。看護師免許を持つ受験者は、医療知識が既に身についているため、他の受験者と比べて高い合格率が期待できます。

効率的な試験対策方法

効率的な試験対策として、過去問題の反復練習が有効です。また、専門学校で提供される模擬試験や、オンライン講座を活用することで、試験傾向を把握しやすくなります。看護師としての知識を活かしつつ、救急救命士特有のスキルに集中して学ぶことがポイントです。

看護師から救急救命士へのキャリアアップのメリット・デメリット

キャリアアップを目指して救急救命士になることは、看護師としての経験を活かせる一方で、新たな課題も伴います。ここではメリットとデメリット、そして看護師としてのキャリア活用について解説します。

メリット: 専門性の向上と活躍の場の拡大

救急救命士になることで、緊急医療分野の専門性を高めることができます。また、消防署や災害現場など、これまでの看護師では経験できない新しい活躍の場が広がります。

デメリット: 勉強と試験への時間的・経済的負担

養成施設への通学や国家試験の準備には、時間と費用がかかるため、経済的・時間的な負担が伴います。特に仕事を続けながら学ぶ場合、両立が大きな課題となることもあります。

看護師としてのキャリアをどう活かすか

看護師の経験は救急救命士としても大きな強みになります。患者さんのケアや医療機器の取り扱いに関するスキルは、現場で即戦力となるため、キャリアチェンジ後も活躍の幅が広がります。

救急救命士の今後の展望と看護師への影響

救急救命士の需要は増加しており、看護師との連携も重要視されています。将来的な法制度の変化や資格の役割についても注目が集まっています。

救急救命士の需要と供給の現状

高齢化や災害の増加により、救急救命士の需要は年々高まっています。しかし、養成校の定員や資格取得者の増加ペースが追いついていないため、供給が追いついていない状況です。

看護師との協働が求められる分野

救急救命士と看護師は、災害時や緊急医療現場での協働が不可欠です。患者さんの命を守るためには、看護師のケアスキルと救急救命士の対応力が効果的に組み合わさる必要があります。

法制度の変化と資格の役割

救急救命士の業務範囲が拡大する法改正が進む中、看護師が果たす役割にも影響が出ています。資格取得の要件が緩和される可能性もあり、今後のキャリア形成に大きな影響を与えるでしょう。

救急看護師としての経験を活かした救急救命士の仕事内容

救急看護師としての経験は、救急救命士の現場で特に役立ちます。ここでは具体的な仕事内容を解説します。

初期治療やトリアージの専門性

救急救命士は、現場で患者さんの状態を素早く判断し、適切な初期治療を行います。トリアージ能力は特に重要で、限られた資源の中で最適な対応を行うスキルが求められます。

医療チームとの連携

救急救命士は医療チームの一員として、医師や看護師と連携して患者さんを搬送する役割を担います。看護師としての経験があると、医療チーム内での調整やコミュニケーションがスムーズに行えます。

患者さんや家族へのサポート

緊急時には患者さんだけでなく、その家族への説明やサポートも重要です。看護師として培ったコミュニケーション能力が、患者さんや家族の不安を和らげる役に立ちます。

救急救命士と看護師の年収とキャリアの違い

救急救命士と看護師では、年収やキャリア形成の仕方に違いがあります。それぞれの特徴を理解することで、今後のキャリア選択がしやすくなります。

救急救命士の年収相場

救急救命士の年収は約400万円～600万円が一般的です。消防署に所属する場合、公務員としての安定した収入が期待できます。

看護師との給与差の理由

看護師の年収は病院や施設によって異なりますが、救急救命士よりも高い場合が多いです。これは夜勤手当や残業代が大きな割合を占めるためです。

キャリアアップの具体例

救急救命士としてキャリアを積むと、指導員や管理職への道も開けます。一方、看護師は専門看護師や管理職など、多様なキャリア選択肢があります。

救急救命士の仕事はきつい？現場のリアルな声を紹介

救急救命士の仕事は、命を救う重要な役割を果たしますが、現場では多くの困難が伴います。実際に現場で働く救急救命士たちが感じる体力的・精神的な負担や、仕事のやりがいについて紹介します。

体力的・精神的な負担

救急救命士の仕事は、体力的な負担が非常に大きいと言われています。現場では、患者さんを迅速かつ安全に搬送するために力を使い、長時間にわたる作業が求められることもあります。また、命を救うというプレッシャーから精神的にも負担がかかりやすく、状況に応じた冷静な判断が求められます。救急救命士として働くうえで、精神的な強さや忍耐力が必要となります。

夜勤や長時間労働の実態

救急救命士は、昼夜問わず働くことが求められる職業です。夜勤や長時間労働が一般的であり、シフト制で勤務をこなすことになります。これにより生活リズムが不規則になりがちですが、体調管理や自己ケアの重要性が高いです。長時間勤務を続けることで体調不良を引き起こすこともあるため、休息をしっかり取ることが求められます。

やりがいを感じる瞬間

一方で、救急救命士の仕事には大きなやりがいもあります。患者さんを助けることができたとき、その瞬間の喜びは言葉にできないほどのものです。また、緊急事態で適切に対応できた時の達成感や、チームワークで成功を収めたときの充実感は、他の職業では味わえない特別な経験です。患者さんが回復し、感謝の言葉をもらった時に、救急救命士としての役割を深く実感することができます。

救急救命士に向いている人の特徴と適性診断

救急救命士は、命を預かる非常に責任の重い仕事です。そのため、特定の性格や能力が求められます。自分が救急救命士に向いているかどうかを見極めるために、以下の特徴を参考にしてください。

冷静な判断力と臨機応変な対応力

救急救命士は、緊急事態に迅速かつ冷静に対応する能力が求められます。患者さんの命がかかっている場面では、状況に応じた判断を下し、最適な対応を取ることが必要です。冷静な判断力と臨機応変な対応力を持つ人は、救急救命士として大いに活躍できるでしょう。

体力・精神力の強さ

体力的には、重い器具を持ち運んだり、長時間にわたる勤務をこなしたりする必要があります。また、精神的には、患者さんやその家族との接し方、命に関わる重大な決断を下す場面での冷静さが求められます。体力的・精神的に強い人は、救急救命士の仕事に向いていると言えるでしょう。

チームワークを大切にできる人

救急救命士は、医師や看護師、他の救急隊員と連携して働くことが多いため、チームワークが非常に重要です。協力し合い、互いに助け合う姿勢が求められます。チームでの活動を大切にできる人は、現場での仕事を円滑に進めることができ、チーム全体の成果を上げることができます。

救急救命士に向いている人はどんな人？

救急救命士に向いている人には、以下のような特徴があります。

体力のある人

救急現場は過酷で、24時間勤務もあります。一般的な会社員は1日8時間労働ですが、消防士は一気に24時間働くことになります。

切り替えの早い人

緊急事態に備えて常に意識を高く保つことが求められる仕事です。プライベートで、仕事で見る悲惨な現場を思い出すような出来事にあってもあまり気にならない人が向いているでしょう。

人助けに使命感をもてる人

人の命を救うことに直結し、危険な現場も多いため、使命感や責任感が強くなければ成り立ちません。

【Q&A】看護師から救急救命士になるよくある質問集

ここでは、看護師から救急救命士を目指す際に多く寄せられる疑問に答えていきます。実際にキャリアチェンジを考えている方は、ぜひ参考にしてください。

Q. 看護師の経験があれば救急救命士試験は有利？

A. はい、有利になります。看護師としての基礎医学知識や臨床経験は、救急救命士の学習内容と多く重なる部分があり、特に応急処置や救急対応の理解が深まっている点で大きな強みとなります。

Q. 救急救命士になるには年齢制限はある？

A. 特別な年齢制限は設けられていません。ただし、専門学校や大学の入学条件に年齢制限がある場合があるため、希望する学校の募集要項を事前に確認しましょう。体力的にハードな仕事であるため、健康状態も重要です。

Q. 看護師資格だけで救急救命の現場に出られる？

A. 看護師資格のみでは、救急救命士が担う現場対応業務（例えば救急車内での医療行為など）を単独で行うことはできません。医師や救急救命士の補助として対応することはありますが、救急救命士の国家資格取得が必要です。

Q. 救急救命士になった後も看護師資格は活かせる？

A. はい、十分に活かせます。救急救命士として現場対応する際、看護師としてのアセスメント能力や患者さんへのきめ細やかな対応力が役立ちます。また、看護師資格を持っていることで医療機関や消防本部などで幅広い役割を担うことも可能です。

まとめ

救急救命士への就職・転職は、新たな挑戦と成長の機会を提供してくれることでしょう。必要な資格やスキルを身につけ、自分の強みを活かして活躍する道が広がっています。しっかりと計画を立て、自分の将来に向けて前進していくことをお勧めします。新たな一歩が、より充実したキャリアにつながることを願っています！