小児科看護師は子ども好きの看護師や子育て経験を活かしたいといった看護師から人気の仕事です。「どうやってなるの?」「仕事内容は?」などの疑問をもっている人にお答えしたいと思います。小児科看護師を目指すべきか悩んでいる人はぜひ参考にしてみてください!
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小児科看護師とは
小児科看護師の主な役割
小児科看護師の主な役割は3つあります。具体的には、①医師の補助、②患者さん(子ども)のケア、③ご家族のケア の3つです。患者さんやその家族と協力して、医療スタッフと連携しながら、子供たちの健康をサポートします。
小児科看護師の詳細な業務内容
一般的に小児科では、新生児から15歳くらいまでを対象として診察を行います。日常的な業務には、患者さんの健康状態のモニタリングや治療計画の実施があります。感染症管理や医療記録の管理も重要な仕事の一環です。また、子供たちとその家族への教育も小児科看護師の大切な業務です。
小児科看護師の勤務形態の注意点
小児科看護師は、他の科同様に、病棟勤務の場合は夜勤や残業があります。給与アップを目指す場合は、夜間や週末の勤務を増やしたり、専門看護師の資格を取ることがおすすめです。
小児科看護師になるには
小児科看護師に必要な資格とスキル
必須の看護師資格
小児科看護師になるためには、看護師免許が必要です。それ以外の特別な資格は資格は必要ありません。小児科看護師として、より専門性を深めていきたい場合は、認定看護師や専門看護師の資格を取得することをおすすめします。
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小児看護師の専門性を高めるオススメの資格
代表的な資格としては、以下の3つがあります。
- 小児看護専門看護師
- 小児救急看護認定看護師
- 新生児集中ケア認定看護師
小児科看護師の主な就職先
小児科看護師は、病院やクリニックだけでなく、小児科専門の医療機関や小児科診療所、児童福祉施設などで求められています。自分の志向や経験に合わせて就職先を選ぶことが重要です。
小児科看護師への転職は可能?未経験者でもなれる?
少子化の影響により小児科の求人は減少傾向にあると言われています。、希望する条件の求人が出た際にすぐに応募できるよう、エージェントに依頼しておくなど準備をしておくとよいでしょう。
未経験者でも働くことは可能ですが、小児科は専門性の高い職場であるため経験者の方が優遇される傾向にあります。未経験で目指す場合は、小児科看護に関する資格などを身に付けておくと有利になるかもしれません。
小児科看護師におすすめの資格一覧と特徴
小児科看護師として専門性を高め、より質の高いケアを提供するためには、資格の取得が有効です。ここでは、小児看護に関連する代表的な資格を詳しく紹介し、それぞれの特徴や取得後の活かし方について解説します。自分の目指すキャリアに合わせて、どの資格が最適かを検討する参考にしてください。
小児看護専門看護師とは?
小児看護専門看護師は、日本看護協会が認定する「専門看護師」のひとつで、特に高度な看護実践能力と倫理的判断力を求められる資格です。小児の成長や発達に関する深い知識を持ち、慢性疾患や障害をもつ小児への支援、家族へのケアも含めたトータルな看護を行います。大学院修士課程を修了することが必要で、現場だけでなく教育・研究・相談業務でも活躍できます。
小児プライマリケア認定看護師の役割
小児プライマリケア認定看護師は、子どもの軽度な健康問題や慢性疾患の管理に関して、看護師が中心となってケアを提供できる資格です。発熱や風邪などの初期対応から、発達段階に応じた生活支援、親への保健指導まで幅広く対応します。地域のクリニックや学校、保健センターなどでの活躍が期待されます。
新生児集中ケア認定看護師の業務と魅力
新生児集中ケア認定看護師は、NICU(新生児集中治療室)で重症新生児のケアを担うスペシャリストです。早産児や先天性疾患のある赤ちゃんに対して、生命維持管理から発達支援まで高度な医療ケアを提供します。緊張感のある現場ですが、命の誕生に携わるやりがいも大きい職種です。
保育士資格が役立つ場面とは
意外に思われるかもしれませんが、保育士資格を持つ看護師は、保育園や乳児院、小児病棟などで重宝されます。保育士としての発達支援の知識と看護師の医療的視点を併せ持つことで、より総合的な子どものケアが可能になります。特に保育園看護師を目指す方にはおすすめの資格です。
チャイルド心理カウンセラーのスキル活用例
子どもの心のケアにも関心がある看護師には、チャイルド心理カウンセラーの資格が役立ちます。発達障害、不登校、家庭環境の問題など、心理的支援が必要な場面で、看護の視点から子どものメンタルケアを行うスキルを身につけられます。スクールナースや療育施設での支援に活かせる資格です。
PALSプロバイダー資格の取得方法と活かし方
PALS(小児二次救命処置)プロバイダー資格は、AHA(アメリカ心臓協会)認定の小児救命の国際資格です。心停止や呼吸停止の対応を含めた緊急時の小児救命処置の知識と技術を習得します。小児病棟や救急外来で働く看護師には非常に有用で、講習受講と試験合格により取得可能です。
思春期保健相談士としてのキャリアパス
思春期保健相談士は、性教育や心のケアを中心に、思春期の子どもたちへの支援を行う専門職です。学校や地域の保健指導、性被害予防の啓発活動などを通じて、健全な成長をサポートします。保健師やスクールナースとの連携が求められる分野でもあり、思春期に寄り添う看護をしたい方に適した資格です。
小児アレルギーエデュケーターの活動内容
小児アレルギーエデュケーターは、アレルギー疾患を持つ子どもとその家族に対し、正しい知識とセルフケアを指導する資格です。喘息や食物アレルギー、アトピー性皮膚炎などに対する日常生活上の配慮や学校生活のサポートに関わる場面が多くあります。地域医療や学校看護で活かされる資格です。
小児科看護師がスキルアップするメリットと注意点
資格を取得することで、小児科看護師としてのスキルや専門性が向上し、さまざまなメリットが得られます。しかし、その一方で注意すべき点もあります。ここでは、スキルアップによる利点と共に、資格取得にかかる費用や継続学習の重要性についても解説します。
資格取得でキャリアアップや年収アップにつながる
専門資格を取得することで、役職やポジションのチャンスが増え、キャリアアップを実現しやすくなります。認定看護師や専門看護師の資格を取得すれば、手当や昇給といった金銭的メリットも期待できます。また、職場内での信頼性も向上するため、より責任ある業務を任されやすくなります。
自分に合った働き方が実現しやすくなる
専門資格を持つことで、希望する働き方が叶いやすくなります。たとえば、地域医療や教育分野での活動、在宅看護への転身など、自分のライフスタイルに合わせた柔軟な働き方が可能になります。資格は選択肢を広げる鍵でもあります。
転職市場でのアピールポイントになる
専門性の高い資格は、転職活動でも大きな強みとなります。求人情報でも「小児看護認定看護師歓迎」など、資格保有者を優遇する傾向があり、採用率が高まります。自分の強みを明確に伝える武器としても効果的です。
取得には費用や時間がかかる点に注意
認定・専門資格の多くは、指定の研修や教育課程の修了が必要で、費用や学習時間の確保が必要です。働きながらの取得はスケジュール管理が重要で、職場や家族の理解と協力も欠かせません。事前に情報収集をして計画的に進めることが大切です。
資格取得後も学び続ける姿勢が大切
資格を取得した後も、常に最新の医療知識や看護技術を学び続ける姿勢が求められます。認定資格には更新制度があるものも多く、継続教育や実務経験が必要です。自己研鑽を怠らず、成長し続ける意識を持つことがプロフェッショナルとしての第一歩です。
小児科へ就職・転職するときの志望動機
小児科看護師は、とても人気です。人気の小児科で採用に近づくために、就職・転職活動における志望動機のポイントを記載します。
志望する病院の特色に触れる
小児科を志望する方のほとんどは「子どもが好き」ということが動機になっていますが、それだけでは周りと同じになってしまいます。子ども好きなことに加え、なぜ応募先の病院を志望したかについて必ず伝えるようにしましょう。たとえば「地域を代表する小児科医院であること」「保護者様とのコミュニケーションも大切にしていること」など、なぜ数ある小児科の中からその病院を志望したかを強調することが必要です。
子どもだけでなく保護者との関係性についても触れる
小児科は、患者さんであるお子さん以上にその保護者さんとのコミュニケーションが大切になる診療科です。相談を受けたり、日常生活の指導の際にも保護者さんとお話したりする場面が多い点に着目し、ご家族のサポートへの想いをアピールすることは大切です。
志望する想いに至った経験や看護観を伝える
自分が小児科で働きたいと思った経緯も大切です。例えば「学生時代の小児科実習でのエピソード」「自身や家族がこどもの頃に小児科病棟に入院していた頃のエピソード」「子育て経験を踏まえて小児科で活躍したい理由」などを取り入れるようにしてみましょう。自分なりの意志を込めて伝えることが大切です。
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小児科看護師の勤務先
総合病院・大学病院
総合病院は、病院の大きさによって仕事内容が異なります。大規模病院の場合は基本的に単科配属になりますが、中小規模病院の場合は混合病棟の可能性があります。
小児科クリニック
小児科クリニックは、流行疾患やよく起こる症状で受診する子どもが多い傾向にあります。流行疾患の影響で、季節によっては残業が多くなることもあるため注意しましょう。
こども病院
小児科看護師にとって人気の職場であるのに加え、病院数が少ないため、就職・転職の倍率が高い点が特徴です。
小児科看護師として経験を活かせる職場の選択肢
小児科看護師としての経験と資格を活かせる職場は、病院だけにとどまりません。ここでは、小児看護のスキルを活かして働ける多様な現場を紹介します。自分の価値観やライフスタイルに合った職場を見つけるヒントにしてください。
小児訪問看護ステーションでの役割
自宅療養中の子どもたちを支える小児訪問看護は、今後ますますニーズが高まる分野です。医療的ケア児や重症心身障害児への対応が中心で、家族支援も重要な役割です。家庭環境に寄り添いながら看護ができる点が魅力で、専門資格を活かせる場面も多くあります。
保育園看護師として働く魅力
保育園看護師は、子どもの健康管理や怪我・病気の対応を行うほか、保育士や保護者への保健指導も行います。子どもとの日常的な関わりを通じて発達を見守ることができ、働き方も比較的安定しているため、子育て中の看護師にも人気の職場です。
重症心身障害児施設での看護の特徴
重症心身障害児施設では、日常的に医療的ケアを必要とする子どもたちの生活を支える看護が求められます。バイタル管理やリハビリ介助、発達支援など、医療と生活支援が一体となった専門性の高い業務が特徴です。資格取得により、より高度なケアが実践できます。
療育センター・リハビリ施設での支援内容
発達に課題のある子どもや障害を持つ子どもたちを支援する療育センターやリハビリ施設では、看護師として医療的なサポートに加え、心理的・社会的支援も担います。多職種との連携が重要で、チャイルド心理カウンセラーなどの資格を活かす機会も豊富です。
小児科看護師のやりがい
子供たちとのコミュニケーション
小児科看護師は、子供たちと直接関わる機会が多く、その中でコミュニケーション能力が磨かれます。子供たちの無邪気な笑顔や成長を見守ることが、やりがいとなります。子供たちの治療や回復プロセスを見守ることで、その成長や回復に関わることができるため、非常に感動的でやりがいを感じられます。患者さんとのつながりが深く、達成感も大きいです。
スキルの向上
小児科は病状が急変することがあり、臨機応変かつ迅速な対応が求められます。そのため、スキルや知識の向上が期待され、看護師としての成長が促進されます。
ご家族との関わり
子供たちと同様に、そのご家族とも深い関わりが生まれます。サポートが必要な時に、ご家族に寄り添うことで、全体的なケアの質が向上します。
小児科看護師で働く大変さ
感情的な負担がある
子供たちの病状や苦痛を見ることは、感情的な負担を強いられることがあります。感情をコントロールすることが求められ、時には辛い状況に直面することもあります。
患者さんとコミュニケーションがむずかしい
子どもたちとのコミュニケーションは楽しい一方で、時には難しいこともあります。特に小さな子供たちや言葉が十分に通じない場合、コミュニケーションの工夫が求められます。いつもと異なる表情や泣き方をいち早く察知し、対応する力が求められます。
勤務時間が不規則
病院やクリニックの診療時間に合わせての勤務が一般的であり、夜勤や週末の勤務もあるかもしれません。これにより、生活リズムの安定が難しくなることがあります。
小児科看護師に向いている人の特徴
小児科看護師は、自分の症状を伝えることが不十分な子どもと接し続ける仕事です。子どもとのコミュニケーションが好きな人、子どもとのやり取りであればいつまでも付き合い続けられる体力がある人が向いています。また治療を行う際には、ご家族も巻き込んで行う必要があるため、チームで働ける人が理想です。
子どもとのコミュニケーションが得意な人
子どもと接することが好きで、安心感を与えるコミュニケーションを取れることが大切です。子どもが伝えづらい症状やつらさをくみ取れる、観察力・洞察力がある人が望ましいでしょう。
体力に自信がある人
子どもの元気さについていける体力があることも大切です。子どもたちの不安や恐れを理解し、優しさと忍耐強さを持って接することが必要です。
チームで働くのが得意な人
医療スタッフや患者の家族と連携し、協力して働くことが求められます。
まとめ
小児科看護師になることは簡単なことではありませんが、それに見合った充実感ややりがいも得られます。今回記載したステップを参考にして、小児科看護のプロフェッショナルを目指してください。頑張ってください!
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